1999年12月現在、最新のRed Hat Linux 6.1 をインストールしましょう。ダウンロードしたファイルをcd-romに焼いて、起動用cd-romとして使用する方法を記載します。すべての人にこれが当てはまることはないと思いますので、僕のインストール例として参考にしてください。尚、フロッピーディスクによる起動も簡単です。最後に日本語環境の構築方法も書いておきましたので、参考にしてください。
1.ダウンロードWindowsマシンやMacでは、いいftpソフトがないため、ダウンロードはUNIXマシン(wgetとmkisofsがインストールしてあれば、FreeBSDでもLinuxでも構いません)で行います。とくにシンボリックリンクの扱いが問題になります。もし、WinやMacでもうまくいった人はご連絡下さい。まず下記のミラーから一つを選んでwgetでダウンロードします。
ftp://ring.aist.go.jp/pub/linux/RedHat/redhat/redhat-6.0/i386/ ftp://ring.asahi-net.or.jp/pub/linux/RedHat/redhat/redhat-6.0/i386/ ftp://mirror.nucba.ac.jp/mirror/redhat/redhat-6.0/i386/ ftp://ftp.kddlabs.co.jp/pub/Linux/packages/RedHat/dist/redhat/redhat-6.0/i386/ ftp://ftp.riken.go.jp/pub/Linux/redhat/redhat-6.0/i386/
asahi-netを例に進めてゆきます。
wget -o log -m ftp://ring.asahi-net.or.jp/pub/linux/RedHat/redhat/redhat-6.0/i386 &
上記の場合、ダウンロードしたファイルは ./ring.asahi-net.or.jp/pub/linux/linux/RedHat/redhat/redhat-6.0/i386 というディレクトリに展開されます。log ファイルにログが出力されますので、tail -f log コマンドで経過を確認できます。ダウンロードが終わるのに1日〜2日は掛かります。ダウンロードが終わったら、属性を変更してimageファイルを作ります。
# cd ~/ring.asahi-net.or.jp/pub/linux/RedHat/redhat/redhat-6.0/i386 # chmod -R 755 * # mkisofs -v -r -T -J -V "Red Hat 6.0" -b images/boot.img -c boot.cat -o /tmp/redhat.iso .
mkisofsがインストールされていない場合は予めインストールしておきます。このredhat.isoをWindowsマシンなどにダウンロードしてCD-Rで焼きます。もちろん、CD-Rソフトがimageファイルからのコピーに対応していなくてはなりません。なお、isoファイルを直接ダウンロードすれば、こういった苦労はいりません。上記ののサイト(例)などにisoファイルが置いてあります。これならもちろん、WindowsマシンやMACから普段使用しているftpソフトでダウンロードできます。6.1-i386.iso がそれです。
もし、起動CD-ROMが使えず、起動用フロッピーディスクを使用したい場合は、DOS/Vマシンで、次のようなコマンドを打ち込みます。
> rawrite.exe
そうするとファイル名を聞いてきますので、boot.imgあるいはbootnet.imgをフルパスで指定します。尚、bootnet.imgはftpインストールやnfsインストールの場合に使用します。rawrite.exeはdosutilsディレクトリに、imageファイルはimagesディレクトリにあります。
2.Bootable CD-ROM 起動
マザーボードのBIOSの設定でCD-ROM起動を可能にしておきます。そして上記で焼いたCD-Rを入れてrebootします。Welcome Message で[Enter]します。すると、languageを聞いてきますので、Englishを選択します。
次にKeyboard Configuration を聞いてきますので、jp106 と Japan を選びます。
次の Mouse Configuration 画面では、マウスタイプと3ボタンエミュレーションの有無を聞いてきます。ぼくの場合、2ボタンマウスで3ボタンエミュレーションを可能にしました。
そして Welcome 画面に移ります。
NEXTで次のInstall Path 画面になります。ここでは僕はcustumを選びました。
次のAutomatic Partitioning では Manually Partition を選びました。
Partitions画面でpartitionを設定します。ハードディスクが複数あるマシンではそれぞれのハードディスク毎にpartitionを設定する必要があります。僕の場合は 4 Gigabyte のハードディスク1台のみ(hda)だったので、100M位を swap に残りを全部 / にしました。/usrや/home、/varなどにそれぞれ分ける方法の方が勧められているようですが、使用する容量は想像が付かないので、すべて / にしてしまいました。ディスクトラブルには多少弱いかもしれませんが、ディスクを無駄無く使用できます。ですから僕の場合、hdaの内、100M byte を hda5(この数字は自然と割り当てられる)としてLinux swapに、残りすべてを hda1 の Linux native とし、Mount Pointを / にしました。[Edit]でMount Point を決めます。
新しいpartitionを追加するときは[Add]ボタンをクリックすると Adding a Partition 画面が現れます。ここで、Grow to fill disk とすると残りすべての容量を割り当ててくれます。
Partitionの設定が終わると、次に Choose Partition to Format画面になりますから、formatするpartitionを選びます。Check for bad blocks while formatting をチェックするとformatに時間が掛かります。新品のディスクなら省いていいでしょう。
次に、LILO Configuration 画面に移ります。デフォルトのままで大丈夫でしょう。
次にNetwork Configurationの選択に移りますが、ここではネットワークの設定をします。DHCPサーバーがあるのなら、[DHCP]をチェックします。IP address を割り振るならば下の画面を埋めてゆきます。
次の Time Zone の画面ではマウスで日本をクリックして東京を選びます。[System clock uses UTS]はチェックしません。
Account Configuration 画面では、root password や 必要なaccountを作ります。
次の Authentication Configuration 画面はデフォルトのまま、[Next]でいいでしょう。
Package Group Selection画面でインストールしたいpackageを選びます。僕は面倒なので画面下の[Everthing]を選びました。ディスクは1200MBくらい消費しますが、考えるのは面倒でした。
X Configuration Screen画面では、オートプローブされてビデオカードが現れますから、[Test this configuration]をチェックして画面を確かめます。
次の画面で[Next]をクリックするとインストールが始まります。
進行状況が画面に現れます。4倍速のCD-ROMで1時間近くかかりました。
次の Boot Disk Creation 画面でBoot Floppy Disk を作ります。
最後の画面で[Exit]をクリックすると、マシンはリブートします。
これでインストールは終わりです。
Shellの設定
まず user を追加しましょう。adduserはslackwareと違い、対話形式ではありません。またパスワードも設定します。
例: # adduser masao # passwd masao
次に、まだパスが通っていないので、パスの記載を追加します。また、日本語が使えるようにexportの記載も追加します。シェルにbashを使うとして、
# vi ~/.bash_profile -----ここから PATH=$PATH:$HOME/bin:/bin:/sbin:/usr/bin:/usr/sbin ----- export LANG=ja_JP.ujis export JLESSCHARSET=japanese
また、lsコマンドでファイルやディレクトリが見やすいように、また、telnetですぐログアウトしないように、.bashrc ファイルの最後に次の2行を加えました。
# vi ~/.bashrc -----ここから alias ls=' /bin/ls -F --color=auto' unset autologout
wcsmbs
次に、日本語環境構築用のwcsmbsをインストールします。Vine Linux のサイトにある、wcsmbsとlibwcsmbsをダウンロードしてインストールします。Vine Linux 1.0 はRed Hat Linux 5.X ベースですが、RHL6.0にもインストールできて、問題なく動作しました。未知の不具合があるかも知れませんので自己責任でお願いします。ついでに、Canna と kinput2 もダウンロードしておきましょう。
# rpm -ivh wcsmbs-locale-0.4.11-4.i386.rpm
rpmファイルですから、インストールはこれで終わりです。アンインストールするときは、
# rpm -e wcsmbs-locale-0.4.11-4
とします。また、インストールされている rpm ファイルを一覧するには、
# rpm -qa
で可能です。
Font
RHL6.0 のデフォルトでは、デスクトップ環境は、GNOME/Enlightenment ですが、このままではメニューなどが文字化けしてしまいます。これはenlightenment側の問題で、日本語フォントを設定していないいためにこのようになります。これを直すには,enlightenmentのテーマディレクトリ(通常は/usr/share/enlightenment/themes/)に存在する,各テーマのディレクトリ下にある textclasses.cfg というファイルを編集します。この中でフォントの指定を行っているところがあるので,その部分が例えば
"-*-helvetica-medium-r-*-*-10-*-*-*-*-*-*-*"
となっていたら、
"-*-helvetica-medium-r-*--10-*-*-*-*-*-*-*,-*-*-*-r-*--10-*-*-*-*-*-*-*"
というようにマルチバイト用フォントが読み込まれるように付け加えれば日本語表記になります。
例: # cd /usr/share/enlightenment/themes/CleanBig # vi textclasses.cfg
Canna & Kinput2
次にフロントエンドプロセッサーにあたる Canna と Kterm 上で日本語入力を可能にするKinput2をインストールします。
# rpm -ivh Canna-3.5b2-19.i386.rpm ----- # rpm -ivh kinput2-v2-fix5-alpha7-1.i386.rpm (なぜか kinput2-v3-beta2-1.i386.rpm ではうまくいきませんでした)
この後再起動すると、ログイン前のメッセージに、Starting Canna が加わるはずです。ログイン後のGNOMEの画面で、xtermを開いて、ktermを起動し、そこで、kinput2 & とすると、kterm上で日本語入力ができます。GNOME のパネルに登録してしまうと後で楽です。
# kterm ----- # kinput2 &
Keyboard
インストールの時にjp106を指定したはずだと思いますが、なぜかKeyboardの設定がpc101(英語Keyboard)になっています。これでは不便なので、XF86Configを書き換えます。
# vi /etc/X11/XF86Config ----- # XkbModel "pc101" # XkbLayout "us" XkbModel "jp106" XkbLayout "jp" -----
これで使い慣れたキイボード配置になります。