Mail Serverの構築

ほとんどすべてのUNIXにはインストール時にsendmailというMail Serverソフトがインストールされています。このsendmailの設定にはsendmail.cfというファイルを使用しますが、このsendmail.cfが難解なのは有名です。そこで、一般には、このsendmail.cfを自動的に作成するCFというソフトを利用します。なお、POP3 Serverはデフォルトでもインストールされていますが、最新のqpopperをインストールしました。なお、設定方法などは Red Hat Linux 6.0 を例に書いてありますが、基本的には他のディストリビューションでも同じです。Sendmailのバージョンが古い場合は、sendmailのバージョンアップは必要でしょう。

1.CFのインストール

まず、現時点(1999年6月)で一番新しいCF-3.7Wpl2をダウンロードしてください。また、smtp check用のpatchもダウンロードしておきます。それを適当なディレクトリ(例:/usr/src/)に移して展開します。

# cd /usr/src/
# tar zxvf CF-3.7Wpl2.tar.gz
# cd CF-3.7Wpl2

patchをあてます。

# cp CF-3.7Wpl2-smtpcheck.* /usr/src/CF-3.7Wpl2/Master/
# cd CF-3.7Wpl2/Master/
# patch < CF-3.7Wpl2-smtpcheck.patch1
-----
# patch < CF-3.7Wpl2-smtpcheck.patch2
-----

そしてmake

# cd /usr/src/CF-3.7Wpl2
# make cleantools
# make tools

さらに、sendmail.cfを自動作成するためのファイル(sendmail.def)をvi(ee)で作ります。この場合、サンプルを参考に自分の環境に合わせてモディファイします。ちなみに僕のsendmail.defを参考までに載せておきます(Red Hat Linux 6.0)。

# cd /usr/src/CF-3.7Wpl2/Standards
# cp sendmail-v8.def sendmail.def
# mv sendmail.def ../
# cd ../
# vi sendmail.def

この内容は、mail addressと標準のFrom addressをyourname@your.domainにするという意味ですが、詳しくはCFに含まれているdoc/INTRO.jpnを参照してください。また、mailbombの中継にされないように、中継は自サイトに限定しています。しかしこれでは、他プロバイダーにダイアルアップしたときなども中継が行われなくなってしまうので、中継を許可するドメインを /etc/sendmail.relay.from に書いて、そこからのリレーだけは許可する設定になっています。次に、sendmail.cfを作成し、/etc/にコピーます。

# make sendmail.cf
# cp sendmail.cf /etc/

次に、このsendmail.cfが正しく動作するか確認しましょう。以下のように、masao@fujie.jp宛のメールがローカルで処理されれば大丈夫な筈です。

# sendmail -bt -C sendmail.cf
---
ADDRESS TEST MODE (ruleset 3 NOT automatically invoked)
Enter <ruleset> <address>
> 0 masao@fujie.jp
---
rewrite: ruleset   0 returns: $# local $: masao

次に、このsendmail.cfをインストールします。

# install -c -o root -g wheel -m 644 sendmail.cf /etc
# /usr/sbin/sendmail -bd -q30m

さらにlocalhostのSMTPポートにtelnetしてsendmailが答えを返してくるのを確認しましょう。

# telnet localhost smtp
Trying 127.0.0.1...
Connected to localhost.fujie.org.
Escape character is '^]'.
220 ns.fujie.org ESMTP Sendmail 8.9.2/3.7W; Sun, 18 March 1998 18:20:23 +0900 (JST)

quitを入力してsmtpを抜けてください。これで、CFのインストールは終了しました。

2.qpopperのインストール
次にPOP3 であるqpopperをインストールします。Red Hatにはデフォルトで、pop3 server がインストールされているのですが、より信頼性が高く、広く使われているqpopperをインストールしましょう。まず、最新のqpopper2.53をEudoraでお馴染みのQualcommからダウンロードして/usr/src に置き展開します。

# cd /usr/src/
# tar zxvf qpopper2.53.tar.Z

そして、ディレクトリを移って、そこでconfigureとmake

# cd qpopper2.53
# ./configure --enable-specialauth
-----
# make

そしてインストール。

# install -c -s popper /usr/sbin/popper

次に、inetd.confを一部書き換えます。pop3の部分を次のように書き換えます。

# cd /etc
# vi inetd.conf
-----
pop3    stream  tcp nowait  root    /usr/sbin/popper  popper -s
-----
(Red Hat Linuxの場合は、pop-3)

次に、inetd.pid をkillします(例)。

# cat /var/run/inetd.pid
62
# kill -HUP 62

これで、rebootすれば、qpopperが動いているはずです。ハイ。試しにpop3 ポートにtelnetしてみて、次のようなメッセージが返ってくれば成功です。

# telnet localhost pop3
Trying 127.0.0.1...
Connected to localhost.fujie.org.
Escape character is '^]'.
+OK QPOP (version 2.53) at ns.fujie.org starting.

3.sendmailのバージョンアップ
sendmailはセキュリティ対策のため常にバージョンアップしています。最新のバージョンにバージョンアップするように心がけましょう。アラカルトを参照して下さい。

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